イタリア



2023年5月8日から施行される感染症法にて、新型コロナウイルスは季節性インフルエンザと同じ「5類」へと移行することになりました。それにともなって、3年にわたって行われてきた水際対策(入国制限)は、それにさきがけて4月29日に終了することになりました。

ヨーロッパを旅行するなら知っておきたいシェンゲン協定と加盟国

加盟国間で出入国検査が不要になる

シェンゲン協定は、ヨーロッパ諸国間において、出入国する際に国境での出入国検査が不要になる制度です。1985年にルクセンブルク・ベルギー・オランダ・西ドイツ・フランスの5カ国が締結した協定と、1990年に締結された補足にあたる協定からなります。最初にルクセンブルクのシェンゲンで締結されたことから、シェンゲン協定と呼ばれています。1997年には、EU(欧州連合)における新しい条約である『アムステルダム条約』にも取り入れられ、1999年に発効されました。

加盟国をチェック

EU加盟国では、フランス・ドイツ・イタリア・オランダ・スペイン・ギリシャ・オーストリア・スウェーデンをはじめ、多くの国がシェンゲン協定に加盟しています。EU非加盟国の中で協定に加盟しているのは、スイス・ノルウェー・アイスランド・リヒテンシュタインです。EU加盟国のアイルランドは、協定の適用除外を受けています。EUを離脱したイギリスも適用除外です。EU加盟国で協定を締結していない国はルーマニア・ブルガリア・キプロスで、クロアチアは2023年1月に加盟が決定しています。なお、シェンゲン協定が適用される領域を『シェンゲン圏』と呼びます。

EUとの違い

EUとシェンゲン協定は、どちらもヨーロッパ諸国の制度であることから、同じものだと混同している人も少なくありません。しかし、実際には全く異なる制度です。EUは、政策や通貨などを加盟国内で共有する欧州連合のことです。一方、シェンゲン協定は、あくまでも出入国が気軽にできるようにする仕組みのことであり、EUとは加盟国も異なります。EUとシェンゲン協定は、加盟国以外の国の人からみたときに大きな違いがあります。具体的に説明すると、例えばEUの場合は加盟国の国民であれば、EU圏内で住む国や働く国を自由に選択可能です。しかし、国籍がEU圏外である日本人がEU圏内で住んだり働いたりしたい場合は、ビザ取得などの法的な手続きが必要とされるのです。一方、シェンゲン協定においては、シェンゲン加盟国以外の国籍を持っている人でも一度シェンゲン加盟国に入国すれば、検査なしで圏内での出入国が可能となります。シェンゲン協定のおかげで出入国が簡単になり便利ですが、決まりもあります。旅する際に気を付けなければならないポイントを確認しましょう。

滞在期間の注意点

シェンゲン圏内において、ビザなしでの滞在可能期間は『あらゆる180日間内で最長90日まで』です。180日間に2回以上シェンゲン圏に入国した場合は、全て合わせて90日まで滞在が可能という意味になります。例えば、10日滞在した場合、その日から180日の間に滞在できるリミットは最長80日です。180日経過する前に90日を使い果たした場合には、最初に入国した日から180日経過してから再入国が可能になるということです。また、ビザなしで滞在するためには、過去10年以内に発行されたパスポートを持っていて、シェンゲン圏内からの出国予定日から3カ月以上の有効期限が残っている必要があるため、注意しましょう。

参考:シェンゲン領域諸国への渡航|外務省 海外安全ホームページ

パスポートは携帯が基本

国境を超える際は、パスポートを携帯することが大切です。シェンゲン圏内は出入国検査なしで行き来が可能ではあるものの、パスポートの確認がないとは限りません。テロ対策などで本人確認が必要になるケースも考えられます。パスポートを携帯していないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるでしょう。実際にパスポートを携帯しておらず身分証明ができなかったことで、不法入国者として身柄を拘束されたケースもありますので、念のためにもパスポートは持っておきましょう。

新たな電子渡航認証制度

ETIASは『European Travel Information and Authorisation System』の略で、『欧州渡航情報認証制度』のことです。2023年11月から導入される予定で、シェンゲン圏への渡航者を事前審査・認証する仕組みです。オンライン申請をしてから審査が通り許可が出て、はじめてビザなしで渡航できます。出入国の記録などを簡単に追えるようにするもので、シェンゲン圏の安全を守る目的などから作られた制度です。

申請に必要なものもチェック

2023年1月現在でETIASが必要となる国は、イタリア・ドイツ・フランス・スペイン・スイスなど、27カ国です。旅行の予定が決まったら、渡航先が対象国かどうか確認しましょう。申請には、有効なパスポートが必要です。オンライン申請のためインターネット環境も必要なので、パソコンもしくはタブレットやスマホ、申請の際に使用するメールアドレスなどを準備しておきましょう。支払いもオンラインで行うため、クレジットカードも必要です。申請費用については、まだ発表されていません。また、ETIASの有効期限は3年です。ただし、途中でパスポートの期限が切れてしまうと、ETIASも同時に失効となります。パスポートの有効期限が短い場合は、パスポートを更新してからETIASを申請するのがおすすめです。

ITAエアウェイズ、11/5から羽田/ローマ線 運航へ

2022年11月5日から羽田/ローマ線を運航する予定です。コロナ禍で就航時期を延期している路線で、日本/ヨーロッパ間のロシア上空回避による対応も踏まえた運航となります。使用する機材は、ITAエアウェイズが2022年5月に初めて受領したエアバスA350-900型機です。現在、A350は5機を保有しています。

■ITAエアウェイズ 羽田/ローマ線スケジュール
AZ793便 羽田 13:35 / ローマ 20:30 (水・金・日)
AZ792便 ローマ 15:40 / 羽田 11:35 (翌日) (火・木・土)

飛行時間は、ローマ発が11時間55分、羽田発が14時間55分を予定しています。

【22年8月現在の入国状況】

観光・ビジネス目的での入国可能
イタリアへの入国条件
2022年6月1日より、90日以内の観光目的での入国にあたって必要な書類はパスポートのみ(コロナ禍以前の入国条件)
※ただし、利用航空会社・経路によってはワクチン接種証明書や陰性証明書が必要となる場合があるため、航空会社への事前確認が推奨されている

渡航前に必要な手続き

必要なもの

(1)パスポート
・残存期間がイタリアの滞在日数+3ヶ月以上のもの
(2)航空券
必要な手続き

上記の必要書類を日本出国前の航空会社チェックインカウンターにて確認後、出国手続きへ。

※航空会社によっては搭乗手続きをスムーズに行うため、事前に関係書類をチェックするサービスも有。詳細は各航空会社の公式サイトをご確認ください。

滞在中に必要な手続き<必要なもの>

(1)FFP2マスク
・FFP2マスクとは、ヨーロッパが定めたEN規格に適合したマスク。米国規格のN95や日本の防じんマスクのDS2に相当するものとして一般に認識されている
・2022年5月1日よりマスク着用義務は解除されているが、以下の場所ではFFP2マスクの着用が義務づけられている。着用義務は2022年9月30日まで有効
(1)州間の船舶
(2)州間の鉄道(インターシティ、インターシティ・ノッテ、高速鉄道など)
(3)2つ以上の州をつなぐ定期・継続的運行バス
(4)地域または州の公共交通機関

帰国時に必要な手続き<必要なもの>

(1)パスポート
(2)航空券
(3)MySOSアプリまたはMySOS Web
・入国前の検疫手続の一部事前登録(ファストトラック ※後述)を行うもの
・スマートフォンアプリ(MySOS)またはウェブサイト(MySOS Web)での登録が可能
(4)出国前72時間以内の陰性証明書 9/7 23:59までは必要
・ファストトラックでの事前登録が可能
(5)質問票
・滞在歴や健康状態などを記入するもの
・ファストトラックでの事前登録が可能
(6)誓約書
・入国時に提示する書類に不実の記載がないことなどを誓約するもの
・ファストトラックでの事前登録が可能

 





     

古代遺跡が点在するローマ、ルネッサンス芸術が華開いたフィレンツェ、「水の都」ベネチアなど世界遺産の国はいかがでしょうか。


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